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南アルプス:仙丈ヶ岳
南ア・仙丈ヶ岳紀行(11) 「戸台河原」

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(標題はブログにリンクします)


 南ア・仙丈ヶ岳紀行(11) 「戸台河原」  .



 
 戸台河原への登山道


 
 広い戸台河原


 
 戸台河原の堰堤



「南アルプススーパー林道」は1979年には開通している。
林道は戸台より戸台川に並行して北沢峠まで延びている。 
ただ、並行といっても戸台川の川底より高度6〜700メートルも高い位置で、三ッ石山稜から馬の背に延びる巨大尾根の中腹を羊腸のように走っているのである。

地元の強い要望を受け、自然保護派の反対を押し切る形で建設されている。 
地元の利害が優先したというわけだ。
無論、この道路は一般車両は通行禁止で、登山者、観光客向けには長谷村運営の林道バスが4月から11月まで運行している。
観光客が山に入らない冬の終わりの時期になると、バスを運行している関係者が林道の整備などを行っているらしい。 


因みに、長谷村戸台から県境の北沢峠まで、歩くと4〜5時間程度の道のりであろう。
小生は今、頭上に南アルプススーパー林道が北沢峠まで完成(バスが開通するのは本年:1976年から3年後で、峠まで凡そ40分で結んでいる)していることも知らずに、戸台川を遡って北沢峠へとトボトボと歩んで行くのである。


車道をそのまま行くと、登山道はそのまま戸台川の河原へと導かれていた。
水が流れているのか、否か、目には見えないほどの広い河原である。
大小の河原石が山裾から河原全体を埋め尽くしていて、その幅は200mもあろうか。 
その一条の筋が延びている踏み跡を確かめながら、コウモリ傘を差してトボトボと歩んで行く。


広い河原ではあるけれど、前後に人の気配は全く無いようで、上空から見ると一つの点が微細に移動している判る程度であろう。 
今はただ、雑念など浮かぶはずもなく、新米行者の如くただ黙然と足を運ぶのみである。


暫くは変哲のない左岸を進んでいるが、間もなく河原の中央を目指すようになり、やがて水流のない丸木橋を渡り右の河原を行くようになる。

程なくして或る小規模なダムサイト、堰堤に達した。 
白岩ダムというのだそうだ。
白岩堰堤の上流側にもう一つ今度は立派な砂防ダムがあった。 

登山者のためのものか、それとも工事関係者のものか・・?、どちらでもいいことだが右岸に立派な階段ができていてホッとさせられる。

10月の秋半ば、謂わば時節的には渇水期に当るのだろう、広い河原に水の姿がなかなか確認できなかったが、この辺りへ来て、初めて水の流れを認めることが出きた。 
白岩堰堤、更に上流にある堰堤までは戸台川右岸に設けられた土手のような工事用道路を歩く。


次回、引き続き「戸台河原




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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(12) 「戸台河原」(2)  ,




 
 戸台河原 (晴天時は駒の勇姿も)

 
 水量も増えてきた戸台河原

 
 砂防ダムの階段登って振り返る



45分ほど歩いて、背中のザックが肩に食い込み、ジワッと脂汗がにじみ出る頃である。
ここらが一服の頃合であるが雨がしとどに降り続き、雨宿りもままならぬ場所なので、このまま歩行を続ける。

その雨も高度が増すに従って、だんだん強くなっているようでもある。 
傘から滲んでくる雨粒が首筋へ落ちてきて、まことに不快な感じである。 ただ、風が伴っていないのは何よりであったが。
外からは雨水が襲い、内側からはジットリと汗ばんできて、ンンン・・!!


道は相変わらず河原を歩んでいるが、さすがにこの辺りまで来ると河原の幅も狭くなり、勾配もきつくなってきている。
左右を望むと霧の中に壁のような岩肌が、両側から圧倒している。 ロッククライミングの練習場にでもなりそうな岸壁である。

河原の石も、今までとは様子が異なってきて巨岩にちかい大岩が出現しだした。
いよいよ“”という空間にやってきたんだと実感できる。


気が付くと道の脇に案内板が立っていて、『大雨で増水したときは右手の河岸に道が付いているので、そちらをご利用下さい』 とご親切に書いてある。

思えば、これだけの長距離、長時間、河原の中に道がついていると、もし、洪水にでもなったらどうなるのだろうか・・?。
確かに、今日のようにシトシトと連続的に降っている場合はさほど問題はないように思われるが、夏の時期の山での集中豪雨は、特に狭い河原では突然の増水に注意をしなければならないであろう。


【 1999年の盛夏、小生の地元、丹沢の玄倉川の中州でキャンプをしていた人々が、熱帯低気圧の大雨による増水によって、男女、子供合わせて13名が流され死亡した事故が発生した。 しかも、その時の流される様子の一部始終、誰かがビデオで撮影していて、これがテレビで放送され全国のお茶の間に届けられた。 あの時のショックを受けたのを鮮明に覚えている 】

本来、真夏の川遊びや川でのバーベキューは楽しいものである。 しかし、川は時に恐ろしい姿に変わる。
川遊びでの注意点は、増水すると中州に取り残される、淵は急に深くなっていることが多い、浅瀬から深淵にかけて急に流れが速くなるなでどあろう。 
とにかく、ラジオなど常に情報(注意報・警報)に注意しながら、水嵩が増え、流木や落葉が流れくるようになったら、サッサと避難することである。

川に関する看板があれば必ず確認しておくことも重要である。


次回、「角兵衛沢出合




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