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南アルプス:仙丈ヶ岳
南ア・仙丈ヶ岳紀行(9) 「戸台の集落」

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(標題はブログにリンクします)


 南ア・仙丈ヶ岳紀行(9) 「戸台の集落」


 
 写真;小黒川林道
 現在の黒河内林道は、旧黒河内森林鉄道で部落民の足でもあった。 現在は頑丈な橋梁も風化しつつある。
 「交通遺跡調査室」提供
 http://kotityobunsitu.blog135.fc2.com/blog-date-201103.html



小黒川沿いの林道は昔の「森林鉄道」の跡だという。
鋭く切れ込んだ谷の斜面に森林鉄道の軌道が敷かれ、材木を満載したトロッコを牽引した機関車が往来していたのであろう。

かつての鉄道は「黒河内森林鉄道」といって、始発基地はこれより下流の国道152号線の近く(現在の仙流荘のエリア:村営バスターミナル)から小黒川沿いを走っていたらしい。
ただ、この軌道の竣工がいつで、延長距離や停止場の位置や数、軌道全線の正確な位置などは定かでない。 
廃止されたのは昭和中期の頃(昭和39年頃・・?)どとされている。

尚、この旧軌道の林道は小黒川沿いを延々と延びていて、やがて入笠山の山頂近く抜けて、諏訪地方に達している。


現在は不明だが、途中には大久保や吉ヶ平といった数軒の部落も点在して、便利よく森林鉄道を利用したらしい。 
そのため戸台には小学校の分校もあったとか。

これら谷奥に点在する住民のルーツは、平家の落人とも言われる。 
尤もで、長谷村や隣の大鹿村にも落人部落伝説残っていて、この地域一帯には“平のなにがしの守”という墓が数多く存在するという。

長谷村の南部山間、三峰川の上流の深い山の奥には「」、「塩平」、「平瀬」という集落がある。
平というのは或は地形的な意味合いもあろうとは思うけど、平家の平に取れなくもない。
又、「浦」と言っても、もちろん海の意味などではなく、名前の由来は「壇ノ浦の戦」で敗れた平家が紀州より落ち延びてきて、この人里離れた山奥へと住み着き、当初は「壇ノ浦村」とも称していたらしい。。

事実、浦集落には「平家の墓」というのがあり、そこに祀られているのは、恐らく壇ノ浦で敗れて落ち延びた、平重盛の子である平維盛とも言われている。
又、平重盛の別姓である小松姓が多いという。
毎年「先祖祭り」という祭事が催され、平家の赤旗を立てて先祖をを偲ぶという祭りが伝承されている。

更には、前述した大鹿村には、平家落人たちの子が300年に渡り守ってきた村歌舞伎の演目もあり、古来よりの伝承祭事が今も残っているという。


次回、「登山口・戸台




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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(10) 「登山口・戸台」  ,




 
 現在の仙流荘とバス発着所
 現在の仙流荘は車関係の交通基地となっておりマイカーの駐車場、バスなどの発着所になっている


 
 橋本山荘
 戸台口の現在の橋本山荘(昔、お世話になりました)



さて、橋本山荘で大休止をしながら粋な朝食を戴き、気心を養った後は己の二本足の歩行だけとなる。
靴の紐を充分に締め直し、背中にザックをしっかりとフィットさせ、大きく深呼吸をして、イザ・・、出発である。

何時もの事ながら、この一瞬は何とも言えない緊張と快感が漲る。
願わくば、この降り続く雨だけでも止んでくれればと祈るが、こればかりは天のものであるから致し方ない面もある。
時に、1976年(昭和51年)10月9日 土曜日・三連休の初日 午前7時45分であった。


山荘前より右手へ車道沿いに歩いてゆくと、間もなく「戸台山荘」があった。
こちらは先ほどの小黒川と戸台川のX字状の合流点で、すこぶる見通しの良いところである。
この戸台集落には南アルプスの登山基地として橋本山荘、戸台山荘、そして小黒川の向こう岸に丹渓山荘がある。

あちらの丹渓山荘は、昔は長谷村の小学校の分校があったところらしい。
部落は元々、炭焼きや林業などで生計を立て、昭和38年頃まで栄えた集落であった。
しかし、昭和34年の伊勢湾台風や36年の大雨災害などで大被害を受け、それらに伴って昭和37年には林業の為の森林軌道(部落民の生活鉄道でもあった)も廃止となり、そのため出稼ぎなどで集落を離れる人が多く、集落に住む人も次第に減少し、併せるように戸台分校も廃止廃校となったという。
この跡地に出来たのが「丹渓山荘」であった。


【 先にも記したが、戸台口より下流に当る、現在の仙流荘は車関係の交通基地となっており、マイカーの駐車場、市街地循環バス、更に、東京方面(新宿)からの高速バスが直接乗入れている。 
そして、ここより伊那村営バス(マイクロバス)が甲斐駒ケ岳や仙丈ケ岳への登山バスとして、南アルプススーパー林道の最高所・北沢峠まで登山客を運んでくれている。 
ただ、鋸岳へはベースが戸台川上流部の角兵衛沢付近となっているので、どうしても橋本山荘や戸台山荘が登山基地となるのである。
ところで、南アルプススーパー林道は戸台口よりすぐ下流の小黒川に掛かる戸台大橋を渡り、戸台川の北側に聳える三ツ石山山稜の山腹をぬうようにして、甲州側へ延びる北沢峠へ向かっている。 】


次回、「戸台河原




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