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南アルプス:仙丈ヶ岳
南ア・仙丈ヶ岳紀行(13) 「角兵衛沢出合」

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(標題はブログにリンクします)


 南ア・仙丈ヶ岳紀行(13) 「角兵衛沢出合」  ,



 
 角兵衛沢出合




長い戸台河原での道中も、この辺りへ来てさすがに終わりを遂げようとしている。
道程は次に河原のすぐ右上の山裾を歩むようになる。 

今度は林の中なので枝から大きい水滴がボタボタと落ちてきて傘にハネッ返り、この飛び散ったシズクが時折、頭、顔、首筋に当ってくる。 
何とも気色悪く、落ちつかない。

周りの風景も俄然、変化が起きていて、戸台川も谷間になり更に、チョット大き目の沢筋になってきている。

一時、霧が晴れて左手の遥か上方に一つのピークが垣間見える。 
道には大岩がすえられていて、休憩に適地と思われたところで初めての大休止をとる。
完全な雨宿りとまではいかないが、岩に身を寄せるといくらかでも雨よけにはなるようだ。
高度もあがったせいか気温のほうも低くなっていることが感じられ、下半身だけ雨具用のナイロンヤッケを着ける。


レモンとチョコを口にしながら、徐(おもむろ)に地図を開き現在位置や周辺状況を確かめる。
河原の向う正面のX字沢は、どうやら寝木小屋沢辺りではないだろうか・?、だが確証はない。 

左のピークが横岳で右側は鋸岳の北端の頂で、稜線のコルが横岳峠であろう。
以前は、寝木小屋沢から横岳峠へ通じる登山道があったらしいが、この地図だと今現在は廃道になっているようである。


現在位置は標高にして1200m前後ではなかろうか・・?、北沢峠が2000mであるから、この後、800mのアルバイトである。
尤も、今まで河原伝いに歩いてきて余り高度は稼いでいない。 
これからが山登りの本番なのである。

雨に打たれて気分は冴えないが、体調のほうは先ず先ずのようだ。 これも、橋本山荘のイキな朝食が発気しているのかもしれない。


朝方なのに辺りからは小鳥の声一つ聞こえず、それもその筈で聞こえてくるのは降り落ちる雨と沢の水音のみである。
今までは雨の中の河原を淡々と歩んできたが、この辺りへ来てさすがに勾配もきつくなり体重が両足に乗っかかってくるのを実感させられる。

時折、自身に気合と威勢をつけるため、「ン・・!」と唸ったり、「ヨイショ・・!」と掛け声をかけて自己激励をするが、 別にどーってことは無いけどね。
それにしても昨夜から完全徹夜の行軍にしては、案に相違して当初としての体調はマズマズのようである。


程なくして、ケルンが積んである大きな指導標のある分岐についた。 「角兵衛沢」の出合いである。
ほぼ頭上に聳える「鋸岳」への直登ルートである。
ただ、分岐といってもこの地からだと対岸になる。 
沢に橋が架かっているわけでも無し、渡渉して行けというのだろうか・・?。 或は流されてしまったのか・・?。 
いずれにしても今頃(10月)の水は冷たそうである。

本来なら鋸のギザギザ稜線ぐらいは望めるだろうに、本日はごらんの様気で何とも仕様が無い。
変な思案をしながら一息入れて出発である。


次回、「赤河原




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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(14) 「赤河原」  ,



  
 赤河原周辺MAP (アルプス情報より)



この辺りへ入ると本当のX状の峡谷である。 
麓では余り感じなかったが、10月初旬ともなると山では紅葉が、そろそろ始まる頃であろう。そして、さすがにこの辺りまで高度を上げると落葉の葉が色付き始めているようだ。
ただ、ケヤキやミズナラの茶褐色のチョッと冴えない紅葉が目立つようだ。

この辺りは一種の混成林を呈しているようで、落葉種ではケヤキやミズナラ、シデ類の高木、それにところどころに針葉落性のカラマツが所々に群れを成している。

常緑はツガ類が遠慮がちに点在しているようだ。
黄金色に輝くブナの大木は未だ見当たらないようだ。
この辺りから植生もガラリと変わってくることだと思われる。


間もなく「熊穴沢」という出会いに到達した。 
こちらは特に標識があるわけではなく、小さな木の板に明記してあって方向を示してある。
熊穴沢も鋸岳稜線の直登するコースが開けているようだ。 

様子を伺うと、角兵衛沢同様白っぽいガレ石が敷き詰めたガレ沢が急上昇して霧の中に消えている。


ところで、この鋸岳へのこの鋸岳への登路としての紹介は、前述の角兵衛沢コース、そして、熊穴沢コースといいどちらも強烈なガレ場の沢で、登行には難渋するところらしい。 
地図を見ても難コースとされる「点線ルート」になっている。
この難所を通らないルートとして甲斐駒ケ岳からの縦走があり、下山ルートとして熊穴沢か西の角兵衛沢を選んだほう、がより良い選択かもしれない。


ジックリ、ジックリ歩を進めていると、再び、やや広い河原に到着した。 
正面には壁のような山塊が行く手を塞いでいる。 
そして、この地は大きな沢の二股合流点でもあり、左手のゴーゴーたる水流は甲斐駒ケ岳の直下から流れ落ちる「赤河原沢」である。

この合流点を左(赤河原本谷)に入るルートが甲斐駒ケ岳の登山ルートである。 この渓谷を詰めて行くとやがて左からの急峻な尾根に取り付き(1合目)、鋸と駒の稜線をめざす。 着いたところが6合目で甲州との県境尾根でもある。
このルートは石仏や石碑が多く、伊那側からの駒ケ岳への信仰登山道であり、甲斐の黒戸尾根対する伊那側の道で古来から開けていたらしい。
尚、伊那地方では甲斐駒ケ岳を「東駒ケ岳」と称している。 

右は戸台の谷から籔沢となり、この沢を辿ってゆくと、やがて仙丈ヶ岳へ達するのである。
この辺り「赤河原」と言うらしい。 尤も、赤河原沢から駒ケ岳の取付点、つまり1合目の河原を「赤河原」とする向きもあるようだ。


長いながい戸台河原の遡行(とはいっても水無しの歩行であるが)も、どうやら終わったようだ。
籔沢を渡り、巨大な沢の流れに挟まれながら緩い河原を登ってゆくと、左側のチョッとした尾根の一端に「丹渓山荘」が静まり返っている。

若い山岳指導員らしき人物が、
お疲れさん・・、どうぞ中へ入ってお休み下さい
と声をかけながら登山カードを渡しているようで、小生も一枚拝領して、先ずはこちらでザックを下ろさせてもらう。 時に9時35分。

戸台口を出発して凡そ1時間50分、雨の中の歩行ながら地図上の時間よりかなり早いタイムであった。 
調子がいいのかな・・?、


次回、「丹渓山荘




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