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南アルプス:仙丈ヶ岳
南ア・仙丈ヶ岳紀行(39) 「藪沢コース」

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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(39) 「藪沢コース」  .


 
 籔沢コース-



小仙丈ヶ岳の稜線と籔沢への山腹を辿る分岐点でもある五合目;大滝の頭で、ゆっくりとザックを下ろして地図を確かめる。
長衛山荘から当地までの記載だとちょうど2時間の行程であるが、実際の小生の小時間は1時間45分ほどであった。 
若干の休憩ももあったが、コンデションも良く快調に登ってこれたようだ。


この先のコースを見ると、右方向は一旦藪沢の源流部を渡り、その後「馬の背コース」から仙丈ケ岳のピークを目指すものであった。 
謂わば、北斜面の見通しの聞かない谷筋のルートであるが、比較的楽な道のようである。(最後にハードな急登がある)

無論、直進は小仙丈ケ岳から山頂へと向かう稜線コースで、ノッケから等高線がかなり密に並んでいるハードな急坂の連続であるが、天気さへ良ければ大展望が得られるコースであろう。


チョコレートと水代わりに蜜柑を頬張って、暫しの休息をとる。
そして、この後の出立をどの方向にするかチョット思案する。

本日は記載のごとく、何もかもが深いガスに閉ざされている様気である。 
従って、目指すのは上りは「藪沢コース」として、下山時に天候回復を期待して尾根コースを取ることにした。

この間、人の気配は上り方面は無論、下って来る人も全く見かけなかった。 
3000mの人気の有る山にしては珍しいことであろう。 
しかも今日は10月10日、天下の体育の日である。 
単独の一人歩き、それはそれで良い。 
だが、大自然のど真ん中、人の気配が懐かしく感じるのは正直な気持ちである。

時折、風が通り過ぎるザワ音以外は、何もかもがナリを潜めているようでもある。
このような状態の中、息が整ったら後は歩くしかないのである。


見上げるような小仙丈の尾根を左に見送りながら、右の方向へ足を踏み入れる。 
何か、別世界へ突入するようである。 
今までは風が通り過ぎる尾根道であったが、今度は山腹を経つるように、ほぼ水平の道なのである。

様気のせいもあろうが、山腹の樹林帯の真っ只中とあって森閑さは事のほかで、自分の一歩一歩が耳に響いてくる。
樹林相は直立した常緑のシラビソの中に、白い肌の賑やかに枝葉を延ばすダケカンバの木が目立つようになってきた。



 
 (アズマシャクナゲの自生の様子)

それに、この地に来て初めてシャクナゲを目にした。 
道端のすぐ横に太い幹で小枝を充分に繁らせていて確かめると、やはり「アズマシャクナゲ」であることが判った。

和生のツツジやシャクナゲの興味を持ち、若干ではあるが収集もしている。
アズマシャクナゲは草津や吾妻連峰を旅したときに趣味で購入したものが3,4株自宅にもあり花も咲かせている。

シャクナゲの種類で山旅の途中、特に目に付くのが東日本の山岳地帯では主にアズマシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ、キバナシャクナゲの三種類であろう。 
それぞれ花の咲く場所も、時期も、風情も違うが何といってもいちばん華やかなのはアズマシャクナゲであろう。

5月下旬から6月上旬に、亜高山帯の針葉樹林に鮮やかなピンクの花を咲かせる。 
特に、関東近辺では草津の志賀−草津道路の下部、路上から華やかに密生したその様子が見られる。 
でもやはり、アズマシャクナゲの本場は奥秩父の山々であろう。 

奥秩父は全般にわたって見られるが、それでもある程度、高度の上がった奥山になるだろう。 特に、川上村から甲武信岳へ目指す途中の十文字峠は広範囲に密生したシャクナゲが見られるところで有名である。 

だが、比較的気楽に、普通のハイキング程度で見られるところが西沢渓谷であろう。 
沢沿いにいくつもの滝を見て、七ツ釜五段の滝あたりから、新緑の混じってピンク色の花がバランス良く咲いている。


因みに、ハクサンシャクナゲはアズマシャクナゲより高いところを植生としている。 
2500以上から稜線地帯に這い松などと混じって咲いている。
樹林帯での特徴は、アズマに比べて葉の色や厚みが薄く、葉の幅は広く裏は透明感がある。 花はアズマより薄いピンク色又は白色を呈する。
日本の高山帯に普通に見られるが、日光白根山(奥白根山)、八ヶ岳で目に付く。
又、キバナシャクナゲは高度2500m以上の稜線沿いの風の通るところで、単独または這い松と混生している。 
葉は小さく、薄黄色のはなを咲かせる。 木が小さくつまっているいるので盆栽に適しているが、植生は最困難である。


次回、「籔沢小屋




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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(40) 「籔沢小屋」  ,


 
 籔沢小屋(伊那市)


 
 小屋近くの藪沢水場


   
 籔沢の紅葉



さて、今は「小仙丈ケ岳」の北側山腹を巡っているところである。
こんな中、有難いことに山腹から清流がしばしば流れ落ちるところがある。 

チョット大きな沢には三本丸太の橋や沢沿いには梯子も掛けられていて、単調な緩い上りに変化を与えている。
小さな沢に手ごろな水場があったので、小休止をしながら冷たい沢水を戴く。 
汗で汚れた顔を清め、頭を冷やし、口にすると疲れている六腑に沁みるわたって、何とも爽快な気分である。


三つ目くらいの大きな沢を越えると分岐から30分もかからない程度で正面に小屋が現われた。
大きな看板に「薮沢小屋」としてあった。

シラビソやトウヒなどの原生林真っ只中にヒッソリと佇んで立つ、昔ながらの静かな山小屋(標高2,540m)で今は無人小屋となっているが、夏季のシーズン中は管理人が常駐して宿泊者の世話をしているらしい。 

賄いは付かない素泊まり専用なので、自炊者歓迎の質素な山小屋である。
今はドアが閉まっていて、室内に人が居るのか居ないのか判らない。
すぐ前にザックを下ろして休憩を取る。 



そしたら、裏手の道端に女性のグループが居るのに気が付いた。
彼女たちは間もなく出発するらしく、立ち上がってザックを背にしようとしていた。

よく見ると昨日炊事場で一緒になり、かるく談笑したグループの人達であった。
相方も小生に気が付いたようで、ニコニコしながら、

おはようございます」 と先に声を掛けられた。
「これはどうも、 本当にお早うございますですね。 ところで今朝は何時ごろ小屋を出ました。」
「そうですね、五時には起き出して、五時半ころでしょうか」
「そりゃ、ハヤ・・!、 どうぞお気をつけて行ってらっしゃい」
「では、お先に失礼します」
どうぞどうぞ、若しかしたら、そのうち追いつくかもしれませんよ

彼女たちは林の中に消えていった。



思えば今朝、小屋を発って数時間たったこれまで、人の気配を感じたことは一度も全くなかった。
そして、たまたまこの地で人気(ひとけ)に接したのが、既に挨拶を交わしていた人達であったのは奇遇といえば言えなくもない。

彼女たちも小生同様、「大滝の頭」の分岐で、展望が望めないのなら小仙丈ケ岳の尾根を行くより、山腹のさわやかコースへと辿ったに違いない。
 

アンパンにトマトジュース、それにチョコをかじりながら小屋のドアをソット開けてみた。 
薄暗い感じは仕方ないとしても、温かみを感じる室内であり、小さな土間の向うはワンルームの大部屋で、綺麗に整頓されていた。

気が付くと入口近くにかなりの大きさのキスリングが三つ置かれていて、周りにビニールシートが敷いてあり、食器類やコッヘル(コンロ)が整然と置いてあった。
彼らは今頃は仙丈ケ岳の頂上を目指していて、下山の後、この小屋を貸切状態で大宴会を開くのであろう。

大きな荷物をここまで上げるのも大変であろうが、南アルプスの真っ只中の大自然の中で、誰の気兼ねもなく酒宴が出来るとはうれしい限りであろう。 

悪酔い、二日酔いなどになり、粗相の無いよう無事下山できることを祈るばかりである。 
愛飲家の小生にはチョット羨ましい限りである。


【この山小屋は当時(昭和50年前期)の小生の地図には「藪沢長衛小屋」と命名されていて、峠の「北沢長衛小屋」同様、竹沢長衛氏かその親族によって建てられたものらしい。現在は北沢長衛小屋が同住所の芦安村に移管しているように、こちらの藪沢小屋も同区域内の伊那市に移管しているようである。
記載の通り夏場は管理人が常駐しているが、それ以外は避難小屋として四季を通じて開放しているらしい。 使用に当っては特に許可などは必要ないらしいが、くれぐれも粗相の内容に使用したいものである。 尚、連絡先は伊那市長谷総合支所産業振興課
Tel:0265-98-3130  HP http://www.inacity.jp/ 】


次回、「馬の背ヒュッテ




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