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南アルプス:仙丈ヶ岳
南ア・仙丈ヶ岳紀行(37) 「樹林帯の急坂」

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(標題はブログにリンクします)


 南ア・仙丈ヶ岳紀行(37) 「樹林帯の急坂」   、 



 
 三合目標識;



道端には小生の好きなツツジの仲間である小木の「ウラジロヨウラク」が姿を見せている。
前にも記したが、ウラジロヨウラクツツジ(裏白瓔珞躑躅)小生がツツジ科の中で最も好きな花木である。
落葉低木で、葉は楕円形で枝先に輪状につき、葉の裏面は帯緑白色が特徴である。
花は淡紅紫色のを枝先に、釣鐘状の数個垂れ下げて咲かせる。 
珞躑(ようらく)とは仏像が身につけている装身具のことだとか。


周りはシラビソの純林帯が続き、雰囲気の良い苔むした原生林の中をジグザグに延びている。
霧にけむる南アルプスの樹林帯は、特に幻想的である。

林床には若いシラビソが伸びてきており,森が生きていることを感じさせる。 
所々に倒木があるが、老いた樹は倒れてまた次の世代の肥やしとなるのである。

又、茶色になったカエデの木も見える、又、ダケカンバも白い肌もみうけられる。 
下では間もなく紅葉の時節が訪れるが、ここまで登ってくると、やはり、針葉樹主体の常緑ゾーンが主体である。

足元は土というより大小の岩石(いわいし)が占めていて、いささか歩き難い。 
浮石などに脚を取られないように慎重に歩を運ぶ。


間もなく薄暗い樹林帯の中に「三合目」の標識が確認できた。
標識の上に、例によって“山えの心がけ、標語”が掲げてある。

『 あなたは美しい山を守る人。 汚れた山を作る人。 
  空缶、ゴミ、良心は持ち帰ってね
 』  と。


何か心に響く文言ではなく、薄っぺらな感じがして心がムズ痒い。
低山の森のようなハイキングコースならイザ知らず、こちらは三千メートルの山岳地である。 皆さん、それなりの心得をもって入山してきているはずである。
しかも、どなたの利便性を考えて行ったかは知りたくもないが、これだけの奥山に機械の爪で引っ掻いて傷(林道、車道)をつけたのは何処のドイツだ、と一言も言いたくなる。



相変わらず樹林帯のハードな上りが続く。
喘ぎあえぎのジックリとじっくりとして前進する。 
ジックリとは、落ち着いて時間をかけて念入りに行うさまである。

腰に両手をあてて、無思考の境地ではあるが、脚下をよく確かめながら一歩一歩、バランスをとりながら高度を上げる。
荷物が軽量なのも手伝って、案外と前衛進む。
しかし、汗のほうがさすがにジットリと染み出してくるが、これは、小生の場合は額からボロボロ汗をかく場合と違って、意外と調子の良い状態なのである。

逆に、ダラダラと汗が噴出すときは、どうしても水分が欲しくなり、こららの繰り返しでどうしても体力を消耗してしまい、即ち、バテ現象の始まりなのである。 
現在はそのようなな状態ではない。

とにかく、1000mの高度を上げなければならないのである。 
東京タワーの基部から突端までの長さの3倍である。


次回、「五合目・大滝の頭




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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(38) 「五合目・大滝の頭」  .  



 
 五合目;標高2516メートルの大滝の頭(提供者に感謝)



ここで、小生の山好きな経験知として、勝手に感じた「山の歩き(登り)方」数ヶ条を記してみよう。
(長時間の登降:2時間以上、ただし岩場、沢筋、雪上・・など特殊な歩程は含まず)

  『登り編

1、登山靴は底が厚く、踝(くるぶし)が隠れるほどの周囲のしっかりしたもの
2、歩き始め、出来るだけ平坦の徐歩区間を設ける(ウォーミング・アップ)
3、いきなり急な登りの場合、普段のペースより意識的に遅くする
4、足の底の全面をつかい、体重を預けるように一歩一歩前進(ベタ足、)
5、小幅、小股で、引きずるように安全な着地面を歩く(スリ足)
6、急斜面は避ける(有れば迂回路を取る)
7、滑りの注意(濡れた木の根っこや石を避ける、靴底の濡れにも注意)
8、急登の場合両手を腰に当てる(ステッキがある場合も余り頼りにしない)
9、息切れしそうな時は意識的に深呼吸をしながら(できれば腹式呼吸)
10、息切れした時、大きく一吸小さく二吐、又は、二吸二吐
11、チョイ休止(息入れ)、小休止、大休止を計りながら
12、水分の補給は十分に、登行中は食べ過ぎない食べない(歩行中アメ、チョコ)
(降り編は別掲)



雨こそややって来ないが、相変わらずガスが深く周囲を覆っている。 
視界も100mもないだろう。 
シラビソの林の中の急坂を雲に向かって登っているようである。

時折、一陣の風が吹くと霧に濡れている木の葉から、ボタボタとシズクが落ちてきて首筋へ侵入してくる。 
冷たい感触は悪くないが、何とも気色悪い。


急斜面では両手を腰に当て、1,2・・・100歩を繰り返しながら登ってゆく。
5分ほど息をこらしては、一息入れるのを繰り返し、15分程度で小休止、30分たって大休止をとる。

“だいぶ長い上りだなあ“と思い始めたとき、どうやら緩い勾配になってきた。 
そして、間もなくして『仙丈ケ岳五合目』とあった。 
標高も2500mを越えたようである。  (標高2516m地点)


指導標も小さく遠慮がちにあって、『藪沢大滝の頭 (右)藪沢から仙丈ヶ岳、(直進)小仙丈ケ岳から仙丈ケ岳』とあった。


次回、「籔沢コース




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