カスタム検索

南アルプス:仙丈ヶ岳
南ア・仙丈ヶ岳紀行(67) 「寸考;南アルプスの林道」(2)

目次)              山行記録   旅と山旅   関東百名山   日本百名山 

【本文関連情報



(標題はブログにリンクします)


 今何時・・?、時間は大和美人が知らせるよ。
クリックすると各都道府県の時計美人と1分間の恋ができます。
クリック=時計美人  
美人時計 ; http://www.google.com/ig





  南ア・仙丈ヶ岳紀行(67) 「寸考;南アルプスの林道」(2)   .



ヨーロッパに初めて日本の山々を紹介したウォルター・ウェストンが南ア・北岳に登頂したのは1902年の事であった。 
既に、100年以上も経っている。 

勿論、この頃は夜叉神トンネルや、南アスーパー林道なんてものは存在もしなかった頃の事であった。 
一行は芦安村から鳳凰三山を越えて野呂川を徒渉ししながら、当時の芦安村長・名取氏らの協力を得てキャラバン部隊を結成し、登山には10日間もの歳月を要したという。

尤も、ウェストン氏が北アの穂高に入って穂高岳を登頂したのは更に5年前のことで、勿論、この当時は上高地などは拓けておらず、(上高地が今の姿になったのは、大正期に焼岳が噴火を起こし大正池を造った)道程としては松本から島々〜徳本峠〜明神〜穂高であった。 
上高地、穂高へ入るには、徳本峠(とくごうとうげ、2135m)という前衛の急峻な山塊を越えなければならなかったのである。



序ながら・・

旧年の岳人さん、山屋さんなら御承知であろうが、上高地に入るには釜トンネルという名物の山岳トンネルがあった。 
何かと物議をかもした名物・釜トンも、地元の要人が片側だけの車の通行では不便であるとして、2005年新釜トンネルが完成した。

言えることは、このトンネルは上高地だけの行き止まりであった。 
大衆の人々の生活、利便性においては全く無関係であり、ただ、観光目的以外には考えられないのである。
無論、上高地も年間を通じて一般車の乗り入れは禁止である。

そもそも何のための一般車両通行全面乗り入れ禁止なのだろうか・・?。
新トンネルは、事実、観光バス・タクシーの専用道路であり、その背景には観光客の大集団を招き入れ、当地で営業を営む業者の生活の利便を一層豊かにする事だけが本来の目的になってしまったのである。 

つまり、新トンネルは上高地景観保護には無縁で、観光業・観光客保護のためではあるまいかともいわれているのである。
近年は上高地の風物や原風景を保存する事よりも、観光業者に便宜をはかり、誘致した観光客を手厚く保護し、尚一層、増員を計るという、真の目的が見隠れしているのである。


自然を守り、自然と共存するということは、自分に厳しく自然に優しい付き合い方が大切なのだと「竹沢長衛」氏は言っていた。
又、現在の南アルプスや上高地をウェストンが見たとしたら、どう感じるのだろうか。


尚、林道バス運行関係者によると・・、
南アルプスの豊かな自然環境を維持していくためとして、マイカー規制で入山する人から「マイカー規制実施経費」の一部を負担するらしい。(1人 片道 100円)

協力金はマイカー規制が円滑に行われるよう、ゲート管理や乗換駐車場の管理などに充てるらしい。
即ち、バスの通行費用の他に管理料金が必要になる。

利用者協力金は、南アルプスの自然環境の維持を目的としていることから、マイカー規制区間を通行される全ての人に協力を依頼しているという。
無論、歩行者や駅等からバスを利用してきた客も同様らしい。


次回、「南アルプスを自然遺産に・・!?




【本文関連情報





 南ア・仙丈ヶ岳紀行(68) 「南アルプスを自然遺産に・・!?」   .



2006年(平成18年)頃より南アルプスを世界自然遺産に登録するための地元有志の運動が始まったという。
その名を「南アルプス世界自然遺産登録推進協議会」といい、関係10市町村により設立された。

構成市町村:山梨県−韮崎市 南アルプス市 北杜市 早川町 長野県−伊那市 飯田市 富士見町 大鹿村 静岡県−静岡市 川根本町


【主旨内容抜粋】
『 南アルプスは、日本列島のほぼ中央に位置し、南北150km、東西50kmという重厚な峰々が連なる山岳地帯です。
南アルプスは白根山系、甲斐駒山系、鳳凰山系、赤石山系からなり、昭和39年には国立公園に指定されました。区域は、北は長野県の鋸岳(のこぎりだけ 標高2685m)、南は静岡県の光岳(てかりだけ 標高2591m)までの範囲で、主峰である北岳は標高3,193mで富士山に次いで日本第2位、さらに間ノ岳は標高3189mと日本第4位の標高を持つなど3000m級の山々が13座もある「日本の屋根」と言われるほど大きく高い山塊が魅力となっています。
また、南アルプスには、キタダケソウをはじめとする南アルプスのみで見られる数多くの希少な動植物が生息しています。特に氷河期から生き続けてきたライチョウは世界の最南端に生きており、絶滅が危ぶまれています。
さらに、地形地質では、大陸と太平洋側からのプレートの褶曲1によって形成された非火山性の山地であり、地球の地殻構造の歴史を抱きながら現在でも年間数ミリ程度隆起しているという造山活動が見られます。
このように南アルプスの自然環境は世界的に見ても傑出した自然環境を有し、また国立公園内には生活環境を有しない、まさに自然の宝庫とも言うべき環境が残されているのです。
私たち南アルプスを取り巻く全ての人々にとって、貴重な南アルプスの自然を後世にそのまま受け継ぐという大きな使命を担っています。 』       以下 略



ところで、南アルプスの地下に「リニア新幹線」(リニア)と通すというが・・?。
ルートとしては首都圏から山梨リニア実験線を経由し、名古屋に至るまでのルートとして木曽谷ルート、伊那谷ルート、そして「南アルプスルート」の3案が検討されていた。

JR東海は、距離が短く経済合理性が高いとされる「南アルプスを貫く直線ルートでの建設は可能」とする地形・地質調査結果に基づき、南アルプスルートでのリニア中央新幹線の建設方針を2008年に固めたという。
南アルプスルートは、甲府市付近から赤石山脈(赤石岳地下近辺)を経て名古屋市付近へ至る直線ルートである。
これらのトンネル本坑及び斜坑、更に付帯工事を含めると総延長は凡そ20kmのトンネル建設になるという。

これらの大工事は自然環境への負担も大きく、自然保護という自然遺産の基本的概念から見れば大いなる問題があると関係者は問題視(特別反対はしていない・・?)している。

この問題について「ユネスコ」の見方については・・、
「工事を行うのは地下あるいは登録予定エリア外だから影響は少ない」という考え方もあるが、 アジア初のユネスコ事務局長に選出された松浦晃一郎氏の著書には次のように書かれている。

『 最近ユネスコが注目しているのは、「景観」という概念だ。つまり緩衝地帯およびその周辺も含めた景観全体が「顕著な普遍的な価値」の公正をなしている、というものである。従って、伝統的な考えに基づいて、緩衝地帯の中でのみ開発規制を敷けば十分というわけではなくなってきている 』
松浦晃一郎氏(2008)『世界遺産ユネスコ事務局長は訴える』 講談社 

この一文を見る限り、上記の見解、思惑では南アルプスの世界遺産登録は困難とする見方もある。
果たして・・・??。


   終    本文Topへ




【本文関連情報






  目次)              山行記録   旅と山旅   関東百名山   日本百名山 
【小生の旅のリンク集】
旅の紀行・記録集
山の紀行・記録集 山のエッセイ
「旅行リスト」
日本周遊紀行「東日本編」
日本周遊紀行「西日本編」
日本周遊紀行 (別URLです)

【日本の世界遺産紀行】 
北海道・知床  
白神山地 
紀伊山地の霊場と参詣道 
安芸の宮島・厳島神社  
石見銀山遺跡とその文化的景観 

ハワイ旅行2007
九州旅行2008
沖縄旅行2008
北海道道北旅行
北海道旅行2005
南紀旅行2002

鎌倉・湘南紀行


「山行リスト」 

立山、剣(天の記)(1971年)
白馬連峰登頂記(2004・8月)
北ア・槍−穂高(1968年)
上高地・明神(2008年)
南ア・北岳(1969年)
南アルプス・仙丈ヶ岳(1976年)
八ヶ岳(1966年)
八ヶ岳越年登山(1969年)
谷川岳(1967年)
尾瀬・燧ケ岳紀行(1973年)
丹沢山(1969年)
西丹沢・大室山(1969年)
西丹沢・檜洞丸(1970年)
丹沢、山迷記(1970年)
奥秩父・金峰山(1972年)
「上高地雑感」
「上越国境・谷川岳」
「丹沢山塊」
「大菩薩峠」
 


スキーの記録  
「スキー履歴」




inserted by FC2 system