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南アルプス:仙丈ヶ岳
南ア・仙丈ヶ岳紀行(51) 「仙丈ヶ岳の尾根」

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  南ア・仙丈ヶ岳紀行(51) 「仙丈ヶ岳の尾根」   .



 
 北方向は馬の背尾根がうねる

 
 南へ派生する大仙丈と仙塩尾根

 
 山頂東より小仙丈尾根を望む

 
 西側へ延びる「地蔵尾根」




頂上に立ったとき、初めて南側の眺めが開けた。
巨大な稜線上が波のように畦って(うねって)彼方に延びているのが確認できた。
そして、その稜線の一角に、ドーンとピラミッドのように鋭角を天に向けているのが、本峰第二の高峰・北岳である。

数年前の同じ時期、あの頂に立ったのを記憶の底から甦ってきた。 
あの時、白峰三山をヤルつもりであったが、小生の体調不良により断念して、ヤケになりながら「北岳に、来ただけか」と駄洒落たもんであった。
そしてこの時、フッと思ったのが「北岳」という単純な名称であった。

その「北岳」は、仙丈ヶ岳や甲斐駒ケ岳と違って全域が甲斐・甲州側にある。
南アルプス連峰の北部にあり、その地域性から「北岳」という名称が付けられたかどうかは定かでないが、それにしても、どうも名前に厚みと風情が感じられないのである。
仙丈ヶ岳(千丈ヶ岳)や甲斐駒ケ岳の堂々たる名称と比較すると、貧弱感を拭えないのである。

モノの本(平家物語)によると「甲斐の白峰」と、れっきとした記載があるほど古くから知られた名山であり、昔からこの辺の山群全体を「白峰三山」と称していたのである。
然らば、その中で一番北にあるからという理由で安直なネーミングをしたのか・・?、『白峰岳』と言うと、実にいい響きなのに。 

そして、白峰三山の農鳥岳、そして、その間に位置するから「間ノ岳」というのは、一応納得なのであるが・・??。
別格の富士山を除くと、堂々たる本峰第一の高峰なのに、イヤーッ、実に安直で惜しい名前を付したもんである。


この北岳の隣の遠大は尾根は、この仙丈ヶ岳のピークから派生しているため「仙塩尾根」とも称して、白峰三山の中ほどに位置する「間の岳」に接しながら、南アルプスの名峰・「塩見岳」へ連なっている。 

その遠方は特徴的な鉄兜の塩見岳を先頭に荒川三山、赤石岳、聖岳など南アの中部、南部の3000m峰の揃い踏みが打ち重なっていて、南アルプスの重厚さを物語っている。

特に、この仙丈ヶ岳眼前にはラクダのこぶのような「大仙丈ヶ岳」と銘打った鋭峰が迫る。 
それにしても、足下の仙丈ヶ岳、それに下山道程に予定している小仙丈ヶ岳の名称は判るが、子ぶりで脇に控えながら「大仙丈ヶ岳」とは大仰な名前を付けたもんである。

この大仙丈ケ岳(2960m)は北東の小仙丈ケ岳と対照され、大仙丈の「大」は「だい」と呼ぶ向きもあるが、これは小仙丈(こ・せんじょう)と対応し「おお・せんじょう」と呼ぶのが正しいようである。

又、西に派生しているのが地蔵尾根で、仙丈ヶ岳が開けた当座よりの古来からの道が付いているらしく、山麓の中尾(現在は市野瀬)の部落に通じている。

そして、小生がエッチラ、オッチラ登ってきたのが北側に派生する「馬の背尾根」であった。


この仙丈ヶ岳は、山頂を中心にして4本の巨大な山稜が派生しているのが特徴でもあろう。 何とも贅沢な眺めである。 
有難いことである。
どっちを向いても素晴らしいので、どっちを向いて座ればいいか迷うほどである。


 次回、「仙丈ヶ岳お花畑




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 南ア・仙丈ヶ岳紀行(52) 「仙丈ヶ岳とお花畑」 .



目の下の籔沢カールの底には仙丈小屋がチンマリと覗える。

山頂より連なる尾根の両側の切れ間には、東側に小仙丈沢カール、北側に藪沢カール、南東側に大仙丈沢カールと三つのカール(圏谷)を擁し、山容そのものは比較的穏やかなように覗える。
だが、西面の大仙丈沢カールは急峻に落ち込んでいて、こちらは沢登りや冬季の氷瀑登攀の対象となっているようである。


ご存知だが、「仙丈ヶ岳」は高山植物の種類が非常に豊富な山としても知られている。 
7月、山の稜線近くで雪解けが終わる頃、(籔沢カールの上部は万年雪の雪渓がのこることもある)それらの花々が一斉に咲きだし、その種類の多さにビックリするぐらいで登山の疲れを癒し大いに楽しませてくれる。

場所的には北沢峠からの藪沢新道(太平山荘から籔沢沿いの道)のうち、小屋からの樹林地帯を抜け藪沢左岸に渡ると、滝を清涼感を感じながら高度を上げてゆくと、登山道路脇にまず黄色のシナノキンバイに出会える。 その後、黄色、白色、紫色の花々が続く。

籔沢上部の馬の背ヒュッテの周りも黄色のお花畑があり、又、藪沢カールの仙丈小屋から仙丈ヶ岳頂上に向う道の両側にはキバナシャクナゲやハクサンチドリ、コイワカガミなどのお花畑が目を楽しませてくれる。
仙丈ヶ岳頂上から大仙丈ヶ岳へ向う尾根道は、余り人が入らない大変静かな道で、その周辺にも数々の高山植物が見られる穴場だとか。



 
 仙丈ヶ岳、登山道近くのお花畑


仙丈ヶ岳に咲く代表的な高山植物の「お花」写真(wikiより)

 
 キバナシャクナゲ

 
 シナノキンンバイ

 
 ハクサンイチゲ

 
 チングルマ

 
 コイワカガミ

 
 チシマギキョウ


最盛期にみられる主な花々では、黄色系ではキバナシャクナゲ・シナノキンンバイなど、白系ではハクサンイチゲ・チングルマなど、赤系ではコイワカガミなど、紫系ではチシマギキョウなどの花が、尾根・沢筋・カール内などに種類豊富に咲いている。

高山植物は仙丈ケ岳周辺だけでも、一般の登山者が通常の登山道から見える花々だけでも、その種類百種類以上の花々が咲きほこるとも言われる。

ただ昨今では、鹿の食害の影響で大規模なお花畑というところは少なくなったらしいが、それでも馬の背ヒュッテのまわりはボランティアの手で鹿防止ネットが張られ、シナノキンバイなどのお花畑が復活しつつあるらしい。



ところで、高山植物はどうして高山のみに群生して咲くのであろうか・・?、
名前の通り「高い山に咲く花たち」だが、かつて地球が氷河期であった時代に、平地に生育していたものが氷河期が去るとともに北へ、あるいは高山へと生育環境に見合った場所に移動したとされている。
厳しい環境の変化に懸命に耐え、順応しながら人類の世代をはるかに越えて現在まで生き続けてきたのである。

中には氷河期そのものの植物も数多くあり、地球史を研究する上で貴重な資料になっているともいわれる。

北岳に因んで名前の付いたキタダケソウほか、世界中にここだけにしかないいくつかの固有種もあり、仙丈ヶ岳周辺は高山植物の宝庫として重要な山でもある。


次回、「千丈ヶ岳・・




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